計算の根拠
このページは、計算のしくみを詳しく知りたい方向けのページです。手取り足取りクンは、退職金・企業型DC・iDeCo・小規模企業共済・中退共を一時金で受け取るときの税金と手取りを計算するツールです。計算式は、国税庁などの公的資料をもとに作成しています。ここでは、計算のもとにしている制度と、税額を表示せずに個別の確認をご案内する場合をまとめました。
もとにした公的資料を2026年9月21日に確認した時点の制度で計算しています。将来の制度改正は反映されません。個別の税額は、税理士や税務署でご確認ください。
計算のもとにしている制度と公的資料
以下は、計算式のもとにした公的資料と、その内容の要点です。
- 国税庁:退職手当等に対する源泉徴収(タックスアンサー2732):勤続年数の1年未満は切り上げること、勤続20年を境に枠の計算式が変わること、枠の最低額80万円、障害が原因の退職の100万円加算、以前の受け取りと重なる期間の調整(前の4年・9年・19年以内)、みなし勤続年数(以前に受け取った分を年数に直して数える決まり)。
- 国税庁:同じ年に2か所以上から退職金を受け取ったとき(タックスアンサー2735):同じ年の受け取りは、金額と対象期間を合わせて1つの枠で計算します。画面に出す税額はその年全体の額で、それぞれの支払元が追加で差し引く額とは異なります。
- 国税庁:源泉徴収のあらまし(2026年版)125ページ:企業型DC・iDeCoなどの一時金(退職金と同じ扱いになるもの)にも、勤続5年以下かどうかの判定を行うこと。国税庁:短期退職手当等と特定役員退職手当等(タックスアンサー2741):通常・勤続5年以下・役員(議員・公務員を含む)で勤続5年以下、の3つの種類への振り分け。同133ページ:3つの種類に分けて枠を計算するとき、マイナスになる期間は0として扱うこと。
- 国税庁の取扱い(所得税基本通達30-13):期間はカレンダーの日付どおりに数え、分かれた期間は月数と日数を合算します。会社の退職金・DB・小規模企業共済・中退共は日付で入力し、企業型DC・iDeCoは掛金の対象月を月初・月末に置き換えて数えます。資産を移した(移換)ことで加わる期間は、支払元への確認が必要です。
- 東京国税局の回答(文書回答事例):同じ年に受け取った以前の分が2つ以上あるときは合算し、最初の開始日からみなし勤続年数を数え始めます。この回答は、資産を移していない場合などが前提です。
- 国税庁:税率表(速算表):税金の対象になる額は1,000円未満、所得税(復興特別所得税などの上乗せ分2.1%を含む)は1円未満を切り捨てます。大阪市の説明:住民税は市町村分6%と都道府県分4%を別々に計算し、それぞれ100円未満を切り捨てます。
- 国税庁:退職金を受け取ったとき(タックスアンサー1420):DBでご自身が負担した掛金の差し引き、2027年以降の上乗せ分(防衛特別所得税)。2026〜2047年の受け取りは確認日時点の制度で、2025年以前の受け取りは受け取った年の制度(所得税の上乗せ分2.1%は2013年以降、所得税の速算表の45%の段は2015年以降、勤続5年以下の計算は2022年以降、役員・議員・公務員で勤続5年以下の計算は2013年以降、企業型DC・iDeCoの一時金を受け取る年の19年の調整は2022年4月以降、住民税の10%の軽減は2012年まで)で計算し、合計に含めます(参考値)。
- 国税庁:退職金はどの年の所得になるか(タックスアンサー2728):受け取る年を動かす比較は、税金の計算でどの年の所得になるかで見ています。入金日が延びただけで年が変わるとは限りません。年の比較は、金額と対象期間を固定した仮の計算です。
対象になる制度と受け取り方
| 制度 | 一時金で計算する対象 | 計算しない受け取り | 公的資料 |
|---|---|---|---|
| 小規模企業共済 | 共済金・準共済金(亡くなった方の分を除く)と、65歳以上で自分から解約した場合(任意解約)など。事業をやめた日・解約した日などの時点の年齢で判定します | 65歳未満で自分から解約した場合(任意解約)と、中小機構から解約された場合(機構解約)は一時所得。一時金以外の受け取り方と、亡くなった方の分は対象外 | 中小機構 |
| iDeCo(個人型確定拠出年金) | 受け取れる年齢になって受け取る一時金(老齢給付金)。掛金を止めて運用だけしていた期間を除いた、税金の計算の対象になる期間で計算します | 一時金以外の受け取り方、障害給付金、亡くなった方の分、途中で加入をやめて受け取る脱退一時金は対象外 | iDeCo公式・国税庁 |
| 企業型DC(企業型確定拠出年金) | 受け取れる年齢になって受け取る一時金(老齢給付金)。iDeCoへ資産を移した(移換)場合は、現金で受け取る場合と区別します | 一時金以外の受け取り方、障害給付金、亡くなった方の分、途中で加入をやめて受け取る脱退一時金は対象外 | 国税庁 |
| 中退共(中小企業退職金共済) | 退職して受け取る退職金。契約成立日・掛金を納めた期間・引き継いだ期間(通算)は、資料で確認してください | 会社に在籍したまま契約が終わったときの解約手当金は一時所得。亡くなった方の分と、一時金以外の受け取り方は対象外 | 勤労者退職金共済機構 |
会社の退職金・前の会社の退職金・DB(確定給付企業年金)も合わせて入力できます。金額は、ご自身の見込額を使います。将来の資産残高や、受け取れるかどうか、何歳から受け取れるかを判定するツールではありません。
税額を表示せず、個別の確認をご案内する場合
次のような場合は、画面に税額を出さず、支払元や税務署への確認をご案内しています。
- 一時金(一括)以外の受け取り方。小規模企業共済を65歳未満で途中解約した場合(任意解約)など、一時所得になる解約。亡くなった方の分を遺族が受け取る場合(原則として、所得税ではなく相続税の対象)。企業型DC・iDeCoの障害給付金や、途中で加入をやめて受け取る脱退一時金。
- 障害による退職の100万円の加算が、計算の種類(通常・勤続5年以下・役員など)の2つ以上にまたがる場合。以前の受け取りとの調整で、種類ごとの枠がマイナスになる組み合わせ。同じ年に3つの種類が重なり、余った枠の振り分けが必要になる場合。余った枠を別の種類に移すことで、勤続5年以下の300万円の境目をまたぐ場合。
- 以前に受け取った一時金(金額から数え直すみなし勤続年数の対象になるもの)の期間が、いくつかの離れた期間に分かれている場合。重なる期間の長さが、ちょうど何年かの境目にあたり、日付によって扱いが変わる場合。
- 次のものは対象外です。海外に住んでいる方(非居住者)の税金。退職金が何回かに分けて支払われる場合。受け取れるかどうかの判定。ほかの所得や、確定申告で差し引くもの(各種の控除)を含めた最終的な税額。社会保険料。画面に入力しない条件を自動で判定することはできません。
- 職業だけで税金の計算の仕方は決まりません。制度と受け取る理由で所得の種類(退職所得か一時所得か)が決まり、対象期間で枠と計算の種類が決まります。